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女王様は少女様

女王様は少女様

女&男

『小日向 鈴音(こひなた すずね)』女・1○歳
『本庄 真(ほんじょう まこと)』男・20歳
    

興味を持った方は続きから



 何故こうなったんだろう?―――
 市バスの座席隅に身体を押し込めるようにし、青醒めた表情で青年は自ら着てる上着のポケットを抑えている。
 帰路に着く人で混み合う車内は煩わしく息苦しい。人いきれで酸欠になりそうなほど。
 でも、青年が息苦しいのは別の理由だった。不安で揺れる瞳孔が時折チラチラと、自ら抑えたポケットを監視する。
 
「ねぇ、何か変な臭いしない?」
「ん~…そう?」

 真横に立った二人組のOL。彼女らが小さく囁き交わした会話が聞こえた途端、青年の顔色は更に薄まり…逆に手の色は赤く染まった。ポケットの入り口を力一杯握りしめるが為に。
 漏れてる筈がない…そう思いはするものの、自らも鼻を微かに鳴らし嗅ぐ。
 ただ緊張と…そうであって欲しいとの願望からか、何一つ自分自身は臭いを感じられなかった。
 大丈夫…大丈夫……何度と自らに言い聞かせる。誰にもバレはしないと。
 なのに握りしめた手は更に硬くなり、もう入口ごと上からポケットの中身全てを握り込む。
 
 ポケットの中に存在するビニール袋で包まれたある物を――。
 

         ◆

「よろしくね、鈴音ちゃん」
「…はい、先生」

 本庄真は、今後家庭教師として教えることになる初対面の少女を見て思う。
 ああ、名は体を表すとは良く言ったものだな…と。
 鈴の音のように、さほど大きくなくとも凛と透き通って拡がる声。
 目の前に佇む黒髪パッツンのゴスロリ美少女が教え子となる『小日向 鈴音』だった。

「綺麗な声だね。流石は鈴音ちゃんってとこかな?」
「ありがとうございます」

 再び鈴の音を鳴らし、にこりと少女は微笑む。
 だがその微笑みは…小学四年生とは思えないほど、どこか大人びて見えた。
 これと言って見た目は年相応な普通の少女。どちらかと言えば同学年内でも細く小柄な方だろう。
 ふわりと膨らんだゴシックロリータの服装が、彼女をより小柄に映して更に幼く見せるし、褒め言葉に照れたのか少しだけ染めた頬も子供らしくて可愛いと感じる。
 なのに何故だろう。その微笑みが子供らしいと思えないのは。
 真は浮かぶ謎を解こうと彼女を見つめ…そして咄嗟に逸らしてしまった。その視線を。
 こちらを真っ直ぐ見通す少女の瞳に耐えきれずに。

 そう――眼だ……。

 青白い肌とは対照的な真っ黒で長い髪はちょうど眉を隠すかのように目の上で切り揃えられ、その下から漆黒の瞳が真を覗き込んでいる。とても静かな光を宿し。
 この眼が少女を子供と感じさせないのだ。
 嫌に静かな瞳の光り。何だろう?月明かりの下で井戸の底を覗き込んだような錯覚に陥ってしまう。
 暗い水面で反射する僅かな月光。覗き込んでいる筈なのに覗きこまれていると感じる光。

「先生…どうかしました?」 
「え!?…あ、ううん。じゃあ、自己紹介がてらに雑談を交えながら今日は勉強しようか。逸れ過ぎない程度にね♪」
「はい―――」  
 
 きっと思っている以上に自分は緊張していたのだろう。そう真は考え直した。元々自分は心配性のきらいがあるし、初めての家庭教師なのだから仕方なかったかもしれない。
 何故なら、いざ実際に授業を始めると驚くほど順調で、恙無く初日の授業を終えられたからだ。
 鈴音は素直に真の教えを聞き、分からないところは即座に質問もする。質問した部分も新たな説明ですぐに理解できていた。自分が教える必要なんてないのでは?とすら思える程に。
 また、ちょっとした雑談にもちゃんと喰い付いてくれて、楽しそうに聞き話してくれる。同世代の女子とノリの良い話をするのは少し苦手な真にとってありがたいくらいだ。
 確かに口調が物凄く丁寧で距離感もあるとは思うが、やはり目上と話すときはこのくらいの方が印象は良いと感じる。親御さんの躾の賜物なのだろう。
 だから思うのだ。本当に、最初彼女の微笑みに受けた違和感は、きっと自分の緊張から来たものなのだと……。
 
「じゃあ、次はまた来週だね。でも鈴音ちゃんは、僕が必要ないくらい頭良いから困っちゃうな」
「そんなことないです。先生が居ないと困ります…色々」
「あはは、そうだと良いけど。じゃあね、鈴音ちゃん」
「はい、さようなら先生」

 気のせいだと分かり、真は変に勘ぐる事もなく帰り際普段通りの笑顔を鈴音に見せる。
 小さく控え目に手を振って応えた鈴音。
 その顔に浮んだあの微笑みを、だから真は見逃してしまっていた……。

         ◆

「こんにちは、鈴音ちゃん。今日も宜し―――あれ?」

 あの日から一週間…二度目の家庭教師の日。
 少女の部屋に入るなり口にした挨拶が思わず止まった。
 学習机を前にした彼女の姿を見止めた瞬間に。
 
「どうしたの、それ?」
「壊れてしまったみたいです」

 そう、鈴音が腰掛けた椅子は前回とは明らかに高さが違っていた。
 小柄な鈴音に合わせ、上げて調整されていた椅子がやけに低いのだ。
 どうやら油圧式の調整部分が壊れ、一番下がった位置まで勝手に降りてしまうらしい。
 最早机の盤面が鈴音の首元近くまで来てしまっている。

「それだと困っちゃうね…机の方は調整できるのかな?」
「いいえ、これ以上もう机の高さは下げられないです」

 確かに軽く見てみると、学習机の方はこれでもう限界まで低くされているようだ。
 それじゃあ…と、真は何度か椅子を弄ってみるもどうやら直せそうにない。

「う~ん、どうしようか…代わりの椅子とかある?」

 ふるふると首を横に振り少女は否定すると、小さな口から思わぬ言葉を発する。

「先生がこの椅子に座ってください」
「…え?僕が!?」

 意味が分からぬまま、それでも頷き促した鈴音の指示に従い真は椅子に座ってみた。
 まあ、確かに真なら問題は無さそうだ。だとしても意味は無いが。
 この椅子に座らなきゃいけないのは鈴音なのだから。
 だが―――

「え?ちょ…ちょっと!?」
 
 思わぬ事態に真は変に裏返った声を出してしまう。
 太股に掛かる圧力。そして感触。ズボン越しででも温もりが伝わるような気さえする。
 鈴音が椅子に座った真の膝上に乗っかってきたのだ。
 ちょこんと、まるで真の身体に背を預けるかのようにして。

「す、鈴音ちゃん?」
「こうすれば、私にも丁度良い高さだと思います」
「あ、ほんとだ……」

 確かに彼女の言う通り、椅子に座った真の上に腰掛けると机は彼女にとって丁度良い高さになった。
 これならノートに字を書く動作も問題なく行えるだろう。
 とは言うものの、どうしたものか……真は躊躇いを見せていた。
 異性を膝の上に乗せるなんて―――。異性の膝の上に乗るなんて―――。
 慣れない行為に落ち付かないし、そもそも彼女は気にならないのか?男の膝の上だぞ?
 だが当の鈴音は気にする素振りも見せず、むしろ問題が解決して嬉しいのかパタパタと脚をバタつかせる始末。
 投げ出した細い脚をバタつかせる動きが、お尻を通し真にも伝わって来る。また動きだけでなく、香水を付ける年頃でも無いだろうに良い香りまで…。
 何故か真の方が恥かしさで赤くなってしまった。 

「えっと…本当に今日はこれで授業するのかな?」
「はい…駄目ですか?」
「ん~まあ、駄目って訳では……」

 幾ら異性と言っても相手は10歳の幼い少女。事情が事情だし、膝の上に乗せて授業しても問題ないか…。
 そう考えると自分自身を説得し承諾した。
 これが高校生辺りだと流石に避けただろう。でも、小学四年生の鈴音なら大丈夫だと真は考えてしまっていた。

「じゃ、じゃあ…今日だけこのまま授業しよっか」
「はい、先生」

 凛と室内に響いた鈴の音。膝の上で前を向いたまま返事をした鈴音。
 表情は見えない。見えるのは少女の後頭部からうなじまで。
 でも、声は妙に笑って聞こえた――――。
 
       
「先生、ここなんですけど?」
「…え?あ、ああ、ここはね――」

 鈴音が上げた質問の声に対し、真は僅かに遅れて返事をする。
 今日の科目は理科と社会。一日に一教科四十五分の授業を二回教える契約。
 だが一つ目の理科を教え始めたばかりで既に真の集中力は途切れ掛かっていた。
 しかもまだ十五分と経っていないのに。

「先生?どうしました?」
「あ、いや…別に……」

 どこかばつが悪そうに答える真。その顔色が僅かながら赤らむ。
 実のところ、ちょっとした緊急事態が真を襲っているのだ。出来れば早急に解決したい問題。
 
『もぞもぞ…』

「あ、あのさ、鈴音ちゃん…」
「はい?」

『もぞもぞ…』

「もう少し落ち付いて勉強しようか……」
「え?してますけど……」

 確かに鈴音が言う通り、彼女は黙々と課題に取り組んでいる。
 あくまで表向きは。だが――

『もぞもぞ…』

 癖なのだろうか?それとも流石に膝の上は座り心地が悪いのか?
 彼女は真の上に座ったまま、その小さなお尻を微妙に動かし続けていた。
 前後左右、まるで意図して振っているかのように蠢く。
 真の履くソフトジーンズ、そして彼女が履くゴシックロリータのフレアスカートとパニエ越しでも分かるほどに。

『もぞもぞ……』

「…っ!?」

 より真の顔が赤らみ、そして眉を顰めたかと思うと小さく身体を震わせる。
 何かを必死に堪えるかの表情を見せる真……否、事実彼は耐えているのだ。
 鈴音の小さくて可愛らしいお尻が揺れる度、その下にある真の股間を刺激していく。
 最初は意識するまでも無かったのだが、こう断続的に振られ続けるとそうもいかない。しかもよりによって、途中からきっちりお尻の割れ目が真の股間を挟み込む形になってしまった。
 服を間に隔てていても、少女の若く柔らかで、そして張りのあるお尻の弾力が伝わり続け…そればかりかずっと座られてる為に、少し高めの体温すらじんじんと伝わって来てしまう。
 そんな状態でもぞもぞと前後左右に振られてしまえば、まだ若い真の股間が少しずつ反応を示してしまうのも仕方ないかもしれない。

「(まずい…こ、このままだと……)」

 真が危ぶんだ通り、徐々に堅く誇張し始めてきた股間。あと少しの刺激でも限界までいってしまうだろう。だとしても、初歩的な性教育すら受けてないであろう年頃の少女にこの生理現象をどう説明したものか……。
 ただ逆に言えば、何も知らないと言う訳で……このまま例え勃起したとてシラを切って押し通せるかも……。
 だが考えれば考えるほど変に意識してしまい、それも更なる刺激となって股の間が強く熱を帯びていく―――。

「ふふ…勃起しちゃった?」

 一瞬、真は部屋に響いた声を理解できなかった。我が耳を疑った。有り得ない筈の言葉が聞こえた気がした。
 だが再びくすくすと、転がる鈴の音のように含んだ笑い声と共にその言葉は聞こえてきたのだ。

「だから、勃起しちゃったの?先生♪」

 あれほどまでに熱を帯び始めていた身体が一瞬にして冷えていく。
 目の前の少女が放った言葉を理解して。
 いや、ある意味で理解はできていない。今、一体何が起こっているのかは――。
 
「な…何を言ってるんだい?鈴音ちゃん……」

 思わず口から出た言葉は、願いに近かったかもしれない。単なる自分の聞き間違いで有って欲しいと。
 でも、無情に感じるほど凛とした鈴の音が脳を冷やし現実だと悟らせ…むしろ冷却を通り過ぎ思考を凍らせ鈍らす。

「もう、何度言わせるの?それとも、もしかしてそんなに私の口から勃起って言わせたい?」

 笑い声と共に再び揺れ出すお尻。だが今までより遥かにはっきりと意図的に。まるで股間を擦り上げるかのように、鈴音はお尻で挟むと前後左右に動かしてきた。
 再び遮断されていた熱が戻ってきて邪魔をする。じんじんと。
 自ら発する熱、そして少女のお尻の温もりが混ざり合い、身体も頭も焦がしていく。
 その熱で、真の凍った意識が再び溶けた。

「なっ!?ちょ、ちょっと…鈴音ちゃん動くの止めて!」
「どうして?」
「どうしてって……」
「小学生に尻コキされてイっちゃうから?」
「し…しりこっ…!?」

 くらくらと脳内が掻き混ぜられ目眩がした。再び遠のく意識。自分の耳にした言葉が現実だと思えない……。
 大学生…つまり大人の男である自分ですら口にするのを躊躇うような下卑た言葉を、遥か年下の少女は意図も容易く口にしてのけてくる。
 ばくばくと心臓が鼓動していく。有り得ない事態が引き起こす極度の緊張。 どうして良いか分からず手が震え、手汗も凄い。
 何とか冷静になろうとしても、変わらず動き続けるお尻の感触と少女の笑い声はそれを許さず責め立てる。

「や…やめっ…うっ…鈴音ちゃん…駄目だっ…」
「何が?」
「だ、だから…その…動くのを……」
「どうして?ふふっ…もしかして先生って小学生のお尻で感じる変態なのかしら?」 
「ち…ちがっ――」

 思わず否定の言葉を口にするも、

「なら良いでしょう?さあ、授業を続けて…先生♪」

 逃げ場を奪い去る言葉で塞がれてしまった。
 もしここで、どいてと言ったら…少女の言葉通り小学生のお尻で感じていると認めてしまうようなものなのだ。

「さぁ、分からないところを早く教えて下さいな」

 言葉とは裏腹に、そんな素ぶりを一切見せず鈴音はより強くお尻を真の上で振りだしてしまう。
 意図的にお尻の間で挟み込み、ゆっくりと擦り上げるようにして。そればかりか、背中を持たれ掛け、真の首筋に熱い息までも吹きかけ擽っていく。 
 異常な事態に混乱が治まらない真は、されるがまま、身動きを取れずにいたが―――。

「うぐっ…だ、だめだぁっ!」

 突如叫ぶと同時に思いっ切り膝の上の少女を押し退けてしまっていた。
 軽いせいか少女は想像より容易くどかせることができ、最悪の事態は免れる―――正直言えば、もう果てる寸前だったのだ。
 本来ならまだ耐えられる筈の刺激。しかし余りにも異様な状況が変に脳と肉体に負荷を掛けるため、普段より早く限界が来てしまっていた。 だがそれでも何とかイクのを止め、荒い息を吐きつつも心と体を冷やす。
 何なんだ、この子は……得も知れぬ不安が冷えた脳裏を過る。
 と、目の前の――押し退けた少女と眼が合った。
 覗き込むような漆黒の瞳がこちらを向いている。その下にある唇の端が歪むと、少女は再びくすりと笑う。
 あの嫌に大人びた笑みで。

「そうね…そのままだとズボンまで汚してしまうわ……」

 笑みを浮かべたままゆっくり近付き…差し伸ばされた小さな手はズボンのファスナーを探り掴もうとしてくる。
 だがそれは流石に真の手で払いのけられた。

「い、いい加減にしろっ!大人をからかうんじゃない!!」
「あら?からかってないわ」
「か、からかってるからこんなことするんだろっ!?」

 理解の出来ぬ事態に対する恐怖も有ったのだろう。
 真は幼い少女に対し、大人げないとすら感じるほどの声を荒げてしまった。
 だがそれすらも―――

「こんなことって?何のことかしら、先生♪」
「…うっ、そ…それは―――」

 全く意に介さず平然と鈴音は逆に問い掛けて来る。そのお口で説明してくださる?と。
 口籠り返答を躊躇う真を、あの瞳が再び覗き込む。
 笑みを携え覗き込んだまま…再び伸ばされる小さな手。

「だ、だから…そ、それを止め―――」
「あのね、先生。もう、先生に権限は無いの♪」
「え?な、何を……」

 呆然とする真を尻目に、鈴音は学習机の上にあるペン立ての付近に手を伸ばすとある物を掴んで見せた。
 小さな手に握られているのは、今や誰しもが所持しているスマホ。
 だがそれを見た瞬間、真は激しく嫌な予感がした。
 そして、概ねその予感は正しかったと直ぐ実感する破目になる…。

「ほら、よく映ってるでしょ?」
「…え!?な、何で……!?」

 スマホの画面ではとある動画が再生中だ。
 それは家庭教師の青年の膝上で、今にも泣き出しそうな顔をした少女が嫌々座って勉強させられている動画。
 さっきまでの二人を撮っていたのは明白だった。つい今さっきまで行われていた授業風景。
 だが、鈴音を背後から抱えていた真にとって、普通に笑い声すら交え談笑していた筈の少女がこんな顔をしていたなんて思いもよらない。 

「そ、そんな…泣いてなかったし……そ、そもそも鈴音ちゃんから――」
「ふふ、これを見た刑事さんにそう言ったら信じて貰える?」
「……っ!?」

 無理だろう。事実がどうであれ、映像はどう見ても少女の顔から察するに、無理やり家庭教師に膝の上で座らさせられているようにしか見えないのだから。脅され座らされました…そんな少女のたった一言で全ては決してしまうだろう。
 真はようやく理解した。自分は嵌められたのだと。こんな幼い少女に――意図も簡単に―――。
 
「親御さんも悲しむでしょうね。あと、もし流行りの動画サイトにでもUPしたら街を歩き辛くなるかしら♪」
「…っ!?」

 こんな動画がネット上に出回ったら…そう考えただけで視界は色を失い思わず手で顔を覆ってしまう。
 脳裏を掠めたのは行き交う人から多数注がれる軽蔑の眼差し。少女の言葉通り、街を歩くことすら憚れるだろうことが容易く想像できた。
 いや、そもそも街を歩ける筈が無い。とびきりの別荘生活を強制的に送ることになる。ふと、ネットで知り得た「性犯罪者は受刑者同士間でも差別を受け易い」とする無駄知識までもが思い出された。
 無意識にカタカタと歯が鳴り、あれだけ熱を帯びていた身体が一気に冷えていく。

「あらあら、縮こまっちゃった?」
「………。」

 確かに真の分身とも言える男性器は、心情に合わせ既に平常時よりも小さくなっていた。
 むしろこんな状況で大きくなるほど倒錯した趣味を持ち合わせてはいない。だから当然の反応。
 一つ事を誤れば世間から抹殺されるのだ。平常で居られるものか……。
 
「ふふっ」

 間近で聞こえた笑い声。ふと気付くと、自分の顔僅か数センチ先に鈴音の顔があった。
 漆黒の瞳の奥底から何かが真を覗き込む。湧き上がる畏れで全身が震え凍て付く。
 巣に掛かった獲物を前にして、少女は嬉しそうに笑みを浮かべながら見据え口開いた。

「さぁ、続きをしましょう、先生。…逆らったら駄目よ?」

 鈴音は顔を覗き込んだまま、手だけを下腹部へ滑らせたのだろう。不意な感触に真の意識は鋭敏になる。
 小さな指が蠢きカチャカチャと音が鳴った。ベルトが外されジッパーが限界まで降ろさると露になる下着。
 でも、鈴音の言葉通り真は身動ぎ一つできなかった。抵抗しようにも先程の動画が脳裏を横切り身体が竦む。
 されるがままに、ただ、少女が自らの下腹部を暴いていく姿を見下ろすだけ。

「ほら、少し腰を浮かせなさい」
「………っ」

 逆らえる筈もない。するりとズボンが膝もとまで降ろされ、最早完全に下着姿の下半身を鈴音の前に曝け出してしまう。
 羞恥と恐怖が混ざり合い混乱する頭。もう自分の顔色が赤か青かも分からない。ただ意識の隅で、さっきまで以上に不味い事態に陥ったのだけは理解できた。
 ――― 今の自分は、幼い少女を前にして下半身を半ば露出した形なのだから。
 
「ふふっ、先生ってボクサーパンツなのね…意外だわ。てっきり白いブリーフかと♪」
「………。」
「それとも見られることを想定して御洒落してきたのかしら?」

 二人きりの室内に、くすくすと鈴の音が転がり響く。
 嘲笑う声を耳にしながらも、動くことができず我が身を晒し続ける真。
 今にも遠のきそうな意識の中、それは聞こえた。

「ねぇ、先生。私の下着は何色だと思う?」
「……っ!?」

 一瞬、問い掛けのままに思考を巡らし掛けるも、すぐに留める。
 こんな幼い少女が履いている下着の色を想像するなんて…。そう咎めた理性。
 だが、答えるよりも前に目の前で少女は動いていた。
 ゆっくりと、独特の拡がりを持つスカートを掴むと託し上げ、二つの腕をその中に潜らせる。
 そのまま、もぞもぞと前屈するかのように華奢な身体を折り曲げ―――。
 再び立ちあがったとき、それは既に少女の手に握られている。
 ゆらゆらと微かに揺れる黒い布地。思わず凝視してしまうと、再び鈴の音が響く。

「あらあら、そんなに見つめちゃって……欲しいならあげるわ」
「ち、ちがっ――うぐっ!?」

『ずぼっ』

 やっと真が開いた口を、出し掛けた声を…ある物が塞いでしまう。
 口の中に拡がる柔らかい感触。舌触り。
 何が起こったのかすら理解する前に、釘を刺す声が聞こえた。

「吐き出したら駄目よ?」

 …その声と、空になった鈴音の手の中を見たことで真は理解した。自分の口の中に入っている物が何かを。

 ―― 今 自分は 小学四年生の 少女の 下着を 咥えて いる ――
 
「ウ、ウァ――」
「駄目って言ったわ」

 びくんと震え硬直する肉体。
 込上げる嫌悪と共に吐き出されそうになったそれが押し留められる。

「フーっ、ウぁっアァ――」

 吐き出すことも、かと言って呑み込むのは当然、口を閉じることすらもできず、真は無様にもパンツを咥え込んだ口を開けたまま、何一つ動けなかった。
 目の前の少女のパンツを咥えている事実が脳を付き刺し、わなわなと身体が震えてくる。
 閉じれぬ口内は、湧出た涎が溜まりだし咥えた布地に染み込み始め、より存在を主張する。
 息をする度に、鼻孔に、喉に、体内に、咥えた物全てが拡がり込むような錯覚。
 余りの屈辱に意識すら白く薄まり掛けた瞬間―――

『ピピッ…カシャ!』

 鳴り響いた電子音。無理やり意識は現実に引き戻される。
 変わらぬ笑みを浮かべたまま、こちらを眺める鈴音の手に握られたスマホによって。
 
「ウーーっ!?」
「ふふ、良く撮れてるわ。可愛い顔ね♪」

 ガクガクと、さっきまで以上に身体が震え背筋が凍る。
 撮られた―――この姿を!?下半身は下着丸出しのまま少女のパンツを咥え込んだ不様な自分を!?
 嘘であって欲しいと願うが、その思いは見せられた画面によって直ぐに散った。
 想像通り…いや、想像以上に無残で不様な醜い自分の姿。もう、どんな言い訳を並べても言い繕えない事実がそこに存在している。
 こんな写真が出回ったら……無慈悲に張られる変態のレッテル。異常者の烙印。何をどう取り繕っても避けることはできないだろう。
 絶望と恐怖、小学生相手に何一つできず、良いようにされる情けなさ。自分でも気付けぬ内に真の頬を涙が伝い始めた。漏れ出そうとする嗚咽。
 でもそれは、吐き出せぬ物によって滞る………これを吐き出したら全てが終わるのだ。

 「ふふ、良い子ね、先生…さ、続きをしましょう♪」

 必死に口を開けたまま、それでも言いつけ通り下着を咥え続ける真の姿に満足したのか、鈴音は再び背を向け真の膝上に飛び乗ってきた。
 そしてまた、ゆっくりとお尻を振る。猫が臭い付けをするかの如く入念に。
 ―――と、ある事実に真は背中をゾクゾクと擽られ始める。
 さっきまでの悪寒とは違う感覚。これは―――

「ウーーーっ!?」
「ふふ、さっきより私のお尻の感触が伝わるでしょう?」

 ズボンを脱がされ下着姿の真。そして下着を脱ぎ捨てた鈴音。そう…つまり鈴音は今、スカートの下には何も履いていないのだ。二人の間にある隔たりはボクサーパンツの薄い布地だけ。
 そんな僅かな布切れの上から直接当てられる少女のお尻は、子供特有である高めの体温がより強く感じられ、幼い肉付きの感触もまた一段と濃い。何より隔てる物が少ない分、ガッチリとお尻の割れ目は真のモノを挟みこんでくる。
 温かく程良い柔らかさで扱かれる快感。ねっとりと、程良い温かさで。心地良さで。
 必死に真は、唯一動かせる首を振った。それは脳に絡むものを振り解こうと抗うかのように。
 だが、荒くなった呼吸は口内の異物を更に感じさせ、異様な状況を強く主張するだけで、より事態を悪化させるだけ。 
 ―――ケラケラと鈴の音が響き渡る室内。

「あらあら、縮こまってたのにだいぶ大きくなったわね♪」
「ウーーーッ!?」
「小学生の尻コキ気持ち良いの?先生♪」

 否定はもう無駄だった。最大級に勃起したペニスは大きく堅くなったぶん尚更に少女のお尻の間に喰い込み、制する意識を嘲笑うかの如く感触を貪っているのだから。張りのある幼い肉に包み込まれ、程良い体重にも圧迫されることにより今まで経験したことの無い快感が脳髄に響くと、勝手に感覚がそこに集中しだす―――。布一枚隔てた先にある尻肉の皮膚を僅かでも感じようと。

 キモチイイ……。

 前後左右、ゆっくりと扱き上げるように動く小学生のお尻が―――。
呼吸の度に体内に入り込んで来る彼女の匂いが―――。
 脳内を充満する未知の快楽物質で意識が痺れ麻痺していく―――。

「さぁ、出しちゃいなさい♪」

 言葉と同時に、のの字を書く様に力強くねっとり捏ねらたお尻。
 同じように…挟み込まれたペニスも圧迫と温もりを感じたまま、のの字に捏ねられていき……ズルりと亀頭の皮が捲れ上がった瞬間―――
 
「フウゥーーーーッ!!?」

『びゅぐっっっ!!!!!』
 
 強過ぎる刺激であっと言う間に吐き出された熱い塊は、布地を浸水し少女のお尻まで、ビクビク痙攣する度により濃く汚した。
 しかも吐き出せば吐き出すほど、生地に浸透した精液を通して彼女のお尻の熱が敏感な粘膜と繋がってしまう。
 止められない射精。止められた理性。
 もう、射精とお尻の快感以外何も考えられないまま、真はぐったりと椅子の背凭れに身体を預け息を吐くだけ。
 舌の上に拡がる異物は、もう自分の唾液が染み込み重く感じる。だがその重さすら今はもう心地良かった。

「ふふ、熱いわ。凄く沢山…ね、先生♪」
「フゥ…オァ……」

 未だ蠢くお尻に促され、どくどくと脈打ち絞り出される精液。
 イったばかりなのに…キモチイイ……まだ止まらないでと望んでしまう程に。
 お尻は敏感な部分を未だに包み込んでいて、むしろ吐き出した精液が潤滑油となり新たな刺激を脳髄に送ってくると……。

「小学生の尻コキでイっちゃった気分はどう?気持ち良かったかしら?」
「オォッ!?…フゥ……っ――」

 朦朧としらばむ意識のまま、真は鈴音の言葉に対し思わず二度も頷いてしまっていた。

「あら、素直になっちゃって。そんなに気持ち良かった?」
「フォァ…オゥ……」 
「でも、このままだとお気に入りの服が汚れてしまうの♪」

 鈴音は真の物欲しげな眼差しを確認し笑みを浮かべる。
 拡がるスカートに精液が付かぬよう、慎重に撒くし上げ鈴音は膝の上から降り背中を向けたまま立つと、お尻部分を更に限界まで撒くし上げ、本来なら隠されるべきその中身を見せつけてくる。

「ほら、先生見て♪」

 言われるまま見つめる真の眼に映ったものは……目の覚めるような、黒い衣服と白い素肌のコントラスト。
 くっきりと白い輪郭は黒い布地を背に浮かび上がり形の良さと張りを強調し、眩む程の明暗が肌染みや傷一つ無い清らかさを見る者に訴えかけた。只一つ、真っ白な少女の双丘に付着した少量の穢れだけを除いて。
 自分の犯した過ちに正常な意識を戻し掛けるも…さっきはあのお尻で――そう浮んでしまった瞬間に、背徳感からか尿道に潜む残滓が漏れ出てしまい、その快感で再び意識は溶けていく。 

「ふふ…」

 真の反応が満足いくものだったのだろうか?楽しげに鈴が鳴り響く。
 鈴音は机上のティッシュボックスに手を伸ばしお尻に付着した精液を拭き取ると、それを自らの鼻先まで運んで意地悪く笑みを浮かべて見せる。少量とはいえカルキのような特有の臭いはするだろう。だが顔を顰めることなく、むしろ摘んだばかりの花を嗅ぐかのように楽しんでからゴミ箱へ放り込み、上機嫌で動けぬ真の前へ近寄り突如彼の口内に指を挿し入れた。
 
「先生も綺麗にしてあげるわ」
『ちゅぷ…』
「っはぁ…ふぁ…」

 ずるりと、唾液を吸い込み濡れた下着が口の中から引き摺り出され糸を引く。
 開きっぱなしで僅かに痺れの残る口を閉じ、ごくりと口内に残ったモノを真は飲み込んでしまった。
 なぞるように舌が歯の裏を舐めていく。何故そうしたのかは自分でも分からない。
 続いた緊張からか、興奮で渇いた喉を癒すためか。はたまた仕出かした事への恐怖からか。
 でも、まるで少しでも味わおうとするかのように呑み込んでしまったのだ。
 
「じゃあ綺麗にしましょうね♪」

 真の所作全てを覗き込んでいた漆黒の瞳が、そのまま舐めるように顔から身体を伝い股間へと映しだす。
 そして、ぐっしょりと濡れ染みで色の変わったボクサーパンツを見止めると、細く小さな指を伸ばしゴムに引っ掛け、ゆっくりと降ろしていった。
 もわっと…部屋に雄の臭いが漂い主張しだす。少女の部屋を犯そうとするかのようだ。ある意味犯されたのは自分なのに。 
 だがそんな自分の気持ちとは裏腹に、臭いの濃さ相応な精液まみれのペニスは布地の抑圧から解放され、パンツの裏側にまでびっしりと精液を吐き出し終えたにも関わらず今だ僅かに硬く脈打っている。
  
「こんなに汚して♪」
『ぬちゃ――』
「ひぅっ…んぁ…ぁ……」

 手にした自らの下着を鈴音が絡めていく。まだ熱い自分のペニスに対し、お構いなしで残滓をこそぎ取るように。
 再び神経がそこに集中し、感覚が砥がれる。イったばかりで過敏になっている為、時折ピリッと強い電流が走るような刺激で背筋が跳ねた。思わず天井を見上げ、そして視線をそこから降ろすことができなくなる。
 だがそれでも、唾液で濡れたそれは生地の滑らかさと精液が混ざり合ってより滑りを産み、細く小さな指と相まって程良く纏わり付き気持ち良い。

「んひっ…あぁ…はぁ……」

 余りの良さに自然と声が漏れ出し零れ落ちてしまう。恐怖や不安、後悔などすら一緒に洗い流して。
 夢心地のままぼんやりとしていると、脳内に鳴り響いた鈴の音が真を現実へと引き戻す。

「ふふ、綺麗になったわ。でも流石にそのパンツじゃ帰れないでしょ?これを履くと良いわ」

 渡されたのは鈴音の物と同じような黒い下着。ただ違うのはサイズ。明らかに大人の女性用なのだ。
 呆然と渡されるがままに持ち、それを眺めるしかできなかった真へ鈴音は言葉を続けていく。

「ママのよ。一枚くらい無くても気付かないから」
「……で、でも――」
「もう一度だけ。それを履くのよ、先生―――」

 スマホを軽く振って見せる少女を横目に、真は気だるい身体を椅子から起こした。
 快楽で惚けた頭ですら分かる。もう、自分はこの少女に逆らえない。機嫌を損ねたら取り返しがつかな―――いや、もう既に取り返しのつかない状況に陥ってしまっているのだと。
 ジーンズと汚れたパンツから脚を引き抜いて恐る恐る手にした物へ通す。
 徐々に触れ慣れぬ感覚が足首から太股迄を伝い、僅かな最期の躊躇いの後、お尻をも覆ってしまった。
 
「ほら、ちゃんと見せなさい…あら、似合うわね。可愛いわよ、先生♪」
「うぅ…み…みなぃ…で……」

 小さいと思ったそれは予想より伸びピッタリと下半身に張り付いた。男物と違う独特の肌触り。正直に言えば少し心地良い…。でも、いくら履けたとはいえ女性用の下着だ。本来ない筈の物が真には付いている分、どうしても前の膨らみが異様に目立ってしまうし、処理できてない陰毛がはみ出てしまう。それが真の羞恥心を煽る。
 だがそれ以上に、教え子である筈の小学生の部屋で、その少女を前にして彼女の母親の下着を履いている現実が心を蝕んだ。
 舐めるように見られている。遥か年下の少女に。この格好すら、またスマホのカメラに撮られてしまうかもしれない……。
 さっきまでの快感は薄まり、激しい動悸に反し顔は青ざめ身体が震えて来る。
 定められず泳ぐ視線。まともに顔も見れない。今、少女はどんな顔で自分を見ているのか…きっとまた、あの大人びた笑みで嘲笑ってるのか……考えれば考えるほど掻き混ぜられる理性。
 でも煮詰まっていく脳を、少女が休ませてくれる筈も無いのだ。
 
「先生、私の目を見て…」
「……ぅぅ、ぁっ」

 交錯した視線。でも、明らかに自分の瞳から放たれる視線は消され、一方的に覗き込まれていく。
 全てを――心の底まで浸透するように――。

「先生は今何をしているの?」
「…ひっ…ぅぁ…ぁ…」
「答えなさい」

 絶対に口にしたく無い言葉。でも拒否権なんてものは存在していない。
 震える唇を必死に抑えて、蚊のような声を出すのが精一杯だった。 

「…た、立ってます……」
「そう、どこでかしら?」
「す…鈴音ちゃ…ん…の……部屋で…す……」
「どんな格好で?」
「…ひぃ…ゆる…し……っ!?」

 すうっと、少女の顔から笑みが消える。でも、覗き込む瞳はそのままだ。
 喉に声と息が張り付く。年端も行かぬ子供を前にして。呼吸すらままならぬほど気圧される。
 だが黙っていたら事態は悪化するだけ。瞳孔が開き揺れる中、懸命にそれでも声を振り絞った。

「じょ…女性の下着を…履いて…います……」

 涙が零れる寸前、潤みぼやける視界の中で再び微笑む少女。
 魅入られたのか…それとも機嫌を損ねずに済んだからなのか……微笑みを見て少しだけ呼吸が楽になった。
 でもまた直ぐに、次の呼吸を挟む間もなく質問が襲ってくる。

「その下着は先生の?」
「……す…鈴音ちゃんの…お母さんの…で…す……」
「どうしてママの下着を先生が履くのかしら?」
「そ…それは……」

 彷徨ってしまった視線の終着駅は脱ぎ捨てたジーンズ。その中にある汚れたボクサーパンツ。
 大気に触れ濁り固まり始めたそれが目から離れない。
 恥かしさと…恐怖……自分がしたこと、していることの異常さに心が軋むのを何とか抑え込もうとするが―――。

「言い難いのなら言ってあげるわ、先生」
「や、やめ――」
「先生は小学生のお尻で尻コキされて、我慢できずにどびゅどびゅ精液漏らした変態だからよ♪」

 あっさりと無慈悲な少女の言葉がそれを踏み砕いてしまう。
 恥辱を煽るべく、より下卑た単語に変換された悪意。 

「ねぇ、先生…教え子の部屋で惨めに射精した気分はどうかしら?」
「…ぅ」
「小学生の言いなりになって女物の下着を履かされた気持ちはどう?」
「………うぅ…」

 嗚咽が響く。狭い室内を埋め尽くさんと。
 堪えられなくなった……と言うよりも、嗚咽以外の言葉を吐き出せなくなった…が、正しいのだろう。
 もし今、真は自分の心を言葉に変え口にしたら、ほとんど踏み躙られながらも僅かに残せた自尊心が砕けてしまう。
 だから子供が泣くことで自分を守るのと同じように、もう泣くことでしか自分を守れなかったのだ。

「あははははは」

 ―――嗚咽を塗り潰す鈴の音が室内に響き渡った。
 大の大人の男が子供と同じ手段でしか身を守れぬ姿はさぞ滑稽に映ったのだろう。
 鈴音は一頻り笑い転げると、とても満足気な笑みを浮かべてから、思いもよらぬ言葉を口にする。  

「もう良いわ、先生。それよりそろそろ授業を再開しましょう。さあ、ズボンを履いて。その浅ましい姿を私にまだ見せていたいのなら別だけど」

         ◆

 何故こうなったんだろう?―――
 たった数十分前の出来事が走馬灯のように駆け巡る。くらくらとバスの揺れ異常に揺れ動く精神。ポケットの入口を握りしめた手から汗が滲むも、狭く混見合ったバス内の暑さとそれが無関係なのは明白だった。
 ――― 慈悲か気紛れか……あのとき、嘲りと冗談の混じる口調から与えられたのは職務と言う名の休息。授業の続き。真は家庭教師として。彼女は生徒として。室内に訪れたのは極々普通で正常な時間だ。
 鈴音はらしく振舞っていた。姿勢も、所作も、言動も。全てが年相応の教え子らしく。真だけが、まるで悪夢を見ていたのではないかと錯覚する位に―――。
 ただ、授業を終え帰る際に手渡された物によって…やはり悪夢は現実だったと既に認識させられている。
 透明なビニール袋に包まれた……絡まる男女二組の下着。半渇きの付着物が纏わったままの。
 トン…と、上着のポケットを小突く指と共に聞こえたあの鈴の音が再び脳内を掻き乱す。


「お土産よ、先生。ずっとここに入れたまま帰りなさい♪」 


 最寄りのコンビニで捨てることだってできた筈。あとから問われても嘘だって吐けた筈。
 なのに捨てれなかったそれの存在を、只管に真は握り締める手の中で感じ続けていた―――。 
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