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博士の異常なる愛情その4

『式ヶ原(しがはら)理沙博士』女・32歳
『上月(こうづき)博士』女・29歳


興味を持った方は続きから

「あは…これが……わた…し……?」
 虚ろな声が響くと、その声の主であるフリージャーナリスト明石皐月(あかいし・さつき)は引き攣った笑みを鏡に映し出した。
動き回っても問題無いよう後ろで一纏めにされた黒い髪に、化粧すれば栄えるであろう整った顔立ちを隠す黒縁の眼鏡。地味と言うよりも御堅いと感じさせるいつもの凛とした風貌が歪む。
これは性質の悪い夢か何かだと思ったのだろうか?彼女はそのまま自らの頬を抓るも、痛みと共により歪む自分の表情をもって目の前に映し出されている全てが現実だと悟った。
「だから一応言った筈だぜ?深入りするな、手遅れになるってさ」
 自分の背後に映った女の口が蠢く。白衣に身を包んだその姿に似つかわしくないほどの健康的で逞しい女性は、発した台詞とは裏腹にむしろ嬉しそうな声色を上げて彼女に近付き手を回す。
『ちりん』
「んひっ❤」
 鈴の音と皐月が鳴り響いたのはほぼ同時。頬を赤らめたにも関わらず、呆然とした眼差しで彼女は鏡に映った自らの胸を見つめた。
 たった今、自らが追っていた取材対象に揉まれた乳房を――。
何故か肌着一つ身に纏っていない全裸の姿。そもそも脱いだ記憶も無ければ鏡の前に立った記憶も無い。ふと眠りから覚めるように意識を戻した瞬間から今の状態だ。しかしこんな状況にも関わらず、思わず声を上げてしまうくらい甘美な感触を生み出したのは確かに自分の胸だった。見馴れた、平均より少し大きいサイズのバスト。
ただ一つ見覚えが無いのは、その乳頭に穿たれた大きなリングピアス。その先に釣られたこれまた大きな鈴が荒ぶる呼吸に合わせ揺れていく。同性に胸を揉まれた…そんなことは思慮に値すべくもない些細な事にすら感じられた。この異常事態の前では。
「…そ、そんな…そんなわけ……」
 出そうとした筈の言葉も擦れ喉に張り付き、震えたまま首を僅かに左右に揺らすことしかできない―――揉まれた感触によってより自覚したのだ。鏡に映るこの姿は紛れもなく自分だと。
両胸の先端、二つの乳頭に等しく大きなリングピアスと鈴の装飾。そして有った筈のアンダーヘアは綺麗さっぱり消えさり性器を露わにしている。これまた乳首と同じよう、ただそこと比べれば比較的小さめのリングピアスを穿たれたクリトリスを際立たせるようにして。知っている記憶と違うそこは、ピアスだけでなくそのもの自身の大きさも変わっていた。小指の先ほどもの大きさに膨れ上がり、ピアスと自身の大きさで皮に収まることも出来ずその姿を晒し続けている。
だが、それすら霞むほどの変貌。逸らすことも出来ず目に飛び込む現実があった。
首から下、胴体部分…白い素肌から所狭しと浮き出る卑猥な言葉の数々だ。
雌犬・マゾ・露出狂。変態に性奴隷等々、下品で低俗な雑誌でしか目にすることの無い文字が羅列している。しかも、どう見てもそれらはペンで記されては無かった。
「嘘よ…こんなの……」
 定まらぬ視線を揺らしながら何度と文字を掌で擦るも消えはしない。しっかりと身体に入墨として刻み込まれていたのだ。
 皐月の視界が一気に歪む。遂に溢れ出た涙によって。
「知らない…わたし、こんなの知らないわよぉ……」
 弱々しい問いの答えは、嬉々とした言葉で背後から聞こえる。
「そりゃ君に自覚は無いさ。新たに作った人格の中でしたからな」
「新たに…作った……!?」
「そう、以前作った機械の応用でね。君の人格を一時的に眠らせ、その間に作り起こした別人格で色々させて貰ったよ♪」
 そう言って博士が手を翳すと、鏡の横の壁に映像が映し出され始めた。
 ――車内から撮った物らしいそれは、人通りの多いスクランブル交差点を向こう側から歩いてくる一人の女性を映していた。徐々に近付くにつれ、皐月はそれが自身の姿だと認識する。季節外れのロングコートを羽織っている上、妙にふわふわとした覚束無い足取りではあるが確かに自分だ。そしてそのままある場所、交差点のど真ん中に来た瞬間――一気にコート前面部を開き切った。
「ひっ……い、嫌ぁぁ……」
 悲鳴が上がる。漏れた悲鳴は映像外の皐月。何故なら、映像内の皐月から漏れる声は―――
「あひぃん❤あ゛ぁ、んあっ❤」
 獣のように咽び泣き、今の自分と変わらぬ姿を大衆に晒しながらも人目を気にすることなく自慰に耽っている。何度も何度も右手でガニ股に開かれた足の間を弄りクリトリスを擦り、左手は乳房を揉みしだきピアスに付けられた鈴の音を響かせて。
突然の凶行に交差点を横断する人々は悲鳴を上げ、女性はおろか男性までもが驚愕と嫌悪の入り混じった眼差しで皐月の周りから離れた場所を足早に過ぎ去っていく。
―――だが皐月は変わらず自慰をし続け遂には、
「んひっ❤イクっ、お外でクリイキするぅ……あ、あ、あぁぁぁぁぁ~~~っ❤」
『じょろろろろっ』
 股の間から勢いよく放尿しつつ、それでも手は動かたまま激しく身体を震わせ絶頂してしまう。
「んはぁっ❤イったばかりのクリ…んっ❤…見られながらぁ…さわって、お漏らしオナにぃ――っんひ❤ぎぼぢよすぎるぅぅ❤」
恍惚とした表情でそのまま出し終えた瞬間、変わった信号で動き出した撮影車が近付いたのか、映像は皐月の歪な笑みをアップに終わっていた。
「あひ…こ、こんな…こんなぁ……」
 目の前で起こった記憶にない自らの痴態。その全てを否定したいのだろう。弱々しく頭を振り皐月はその場に蹲ろうとするも、背後から腕を回され無理やり引き起こされてしまった。
「ほら、屈んだらせっかくの可愛い身体が見えないだろ?」
「や、やめ―――んぁぁっ❤」
 咄嗟に口から洩れ喘ぎ声。胸の前に回された女の掌が乳房を鷲掴みにしたのだ。
「はぁぁ…んっ…なん…でぇ……」
 頭も口も上手く回らない。ぶるりと震えた身体から全身へ。揉まれた胸を中心に蕩けそうなほど甘い快感が波紋のように拡がって行く中、熱い息だけが漏れていく。全身が有り得ないくらい敏感になっている。
「何でって、そりゃ記憶が無くても身体は覚えてるからな」
 淡い桃色に染まりつつある皐月の肉体を前にし、女は唇を舐めると嬉しそうに説明し始めた。
「今見た映像を実際に君は体験している。だから見たことによって、この可愛らしい肉体を晒しながらオナニーした快感を脳が反芻してしまうのさ。ほら、またしたいって」
「んぁぁぁ~❤」
 出す筈だった否定の言葉が嬌声に呑まれてしまう。乳房を揉んでいた指が乳首のリングに掛けられ、そればかりかもう片方の掌の指がいつのまにやら別のリング――膨らみ大きくなったクリトリスに穿たれているそれを弄び出したのだ。
「これ着けてやったときなんて喜び過ぎて嬉ションしてたぜ?」
更には残った指が、同じく膨らみ開かれた秘唇をなぞり上げると、喉を逸らし皐月は絶叫する。
「あぅ、あぁぁ~❤こ、こんなの…こんなのぉぉ……❤」
「あ~あ、もう凄いびちゃびちゃだな♪」
 言葉通りだった。鏡には溢れ出した愛液が女の掌全体に纏わりつき、そのままゆっくり何本もの糸を引きながら床に垂れ落ちるほど滴っているのが皐月にも見えている。懸命に頭を振るが快感で力の入らぬ身体は女の腕から逃れられず、受け入れ難い有り様を鏡に映し続けてしまう。
「因みにこっちも開発済みだから楽しめるぞ」
『ぬぶぅぅ』
「んぉぉぉ…❤」
 胸の感触が失われた次の瞬間、突然の異物感に貫かれ再び力が宿り痙攣する身体。思わず伸びた爪先を戻すことも出来ず踵を浮かせたまま女に全身を預けた。
「お…おひ…りぃ❤」
 そう、今まで一度たりとも性的行為を試したことのないアナルが女の指を嬉々と受け入れているのだ。しかも、うねうね中で蠢く女の指が煮立った思考を更に煮詰め出すと、甘い鼻声と共に堪らずお尻が揺れてしまう。
「んほぉ❤…なんでぇ…きもちいぃのぉ……?」
 こんな状況。こんな部分で…。鏡には醜い姿にされた自分が映っている。同性にお尻の穴まで嬲られて。それなのに気持ちが良いのだ。
別に処女では無い。確かに最近はご無沙汰だが、それでも年相応の性体験は持っている。でも自分の身体を、今まで身体を重ねてきた男たちでは一度たりとも味わえなかった快楽が蹂躙していく。脳も身体も全てが快感に震え止まらなかった。
「別人格のときの記憶が蘇ることは無い。でもな、ちょっとしたきっかけで身体が覚えてしまったことは蘇るのさ。さっき映像見たろ?気付いてなかったみたいだが、映像見てる最中から既に濡れ始めてたぜ?」
 女は心底楽しげな笑みを鏡に映すと、そのまま躊躇なく指の動きを激しくさせた。人差し指を根元までアナルに呑み込ませ、もう片方の手は人差し指でクリトリスのピアスリングを引っ張りつつ中指と薬指で秘唇を優しく擦る。
潤滑油の代わりの溢れた愛液がぐちゃぐちゃ音を立てると、皐月は羞恥とも快楽とも取れる表情で頬を赤らめ大声を上げた。
「んひっ❤あ、あ、あ゛ぁ~~っ❤」
 最早閉じられなくなった唇から止めどなくよがり声と共に涎が零れ、自らの胸を秘部同様に濡らしていく。濡れた肌は光沢を帯び、刻まれた文字をより濃く鏡に映した。
「あひぃ❤わたしの…んぁ❤…から…だがぁ……」
卑猥な入墨だらけの身体をくねらせる自分の姿が嫌でも視界に入ってくる。それなのに、鏡の中の自分は淫蕩そうな眼差しでそれを見続けていた。何故か、もう今は嫌悪感を抱くより昂り方が大きくなってきている。女が言った通り、記憶になくとも肉体が別人格で覚えたことを思い出しているのだ。
―――と、女が耳元で囁く。
「良い顔になってきた。ほら、自分の身体に何て書いてあるか読んでみな」
「……いやぁ、そん――んぎぃっ❤」
 微かに残った羞恥心と理性が拒もうとするも、それを認めないとばかりに女の指先が強くクリトリスのピアスをぎりりと引き上げてしまう。
 突如襲った想定外の強過ぎる刺激に皐月は腰を跳ね上げ、ちかちか真っ白に染まり彎曲した意識のまま口を動かすしかなかった。
「んあ゛ぁ…めす…いぬぅ……へんた…い……んひぃ❤あぁ……ろしゅつきょぉ……」
「そうそう、良い子だ。自分の身体に書いてある言葉なんだからしっかり覚えなきゃ」
 女の言う通り、今口にした卑猥な言葉は全て自身の身体に刻み込まれてしまった。もう簡単に消すこともできず、ずっとこのまま。外科手術でなら消すこともできなくないが、それをする為にはこの文字を…身体を……医者に見せなければならない。どんな顔をしてこれを見せろと言うのか。どだい無理な話なのだ。
「うぐ…ひっ…まぞぉ……せいど…れぃぃ……」
 言葉の端々が震え、いつの間にか目から涙が溢れていた。
 この身体で今後生きていかねばならない絶望感に加え、二十七年生きてきて一度たりとも口にしたことの無い卑猥な言葉の数々を言わされている屈辱。
 ―――だが、それ以上に涙が溢れてしまうのは……こんな状況下に置いて、それらの感情を塗り込めんばかりに感じ始めている自分自身に対してだった。
「あはぁ…❤なんでぇ……?こんなごと言いだぐないのに…言うとぎぼぢいぃよぉ…❤」
 自らの身体に刻まれてしまった卑猥な単語。その一つ一つを読み上げる度、そして鏡でその自分の姿を見る度に――身体の中心が熱く昂っていく。そして女から与え続けられている感覚と混ざり合い更なる快感を生んだ。
「ほら、雌犬の皐月は何処が気持ち良いか言ってみな♪」
 突如囁かれた女の問いに対して、思慮を巡らせるより早く鏡に映る皐月の唇は素直に応じていく。
「あひ、ぐり…どりすとぉ……おじりのあながぁ――っんぁぁっ❤あ、あ、いぐぅぅ❤」
 目の前が真っ白に染まると言葉は途中から喘ぎに呑まれ、噴き出す快感に逆らえぬまま皐月は激しく痙攣し昇り詰めた。全身を激しい電流で焼き尽くされ、それで尚昂りは留まる事を知らず膨れ上がってしまう。
「あ゛ぁ゛ぁ~❤い゛ぐい゛んっ…い゛っでるのにぃまだいぐぅぅぅ❤」
『ぷしゃ…じょろぉぉ……』
「んあ゛ぁ゛❤おひっごぉ…ぎぼぢよぐでどまんなぃぃ……❤」
 鏡には先程の映像と同じく、股間から尿を迸らせながら激しく痙攣していく自分が映っている。だがその姿を目の辺りにしても浮かぶ感情は最早快楽のみだった。尿道が熱く疼き、排泄の解放感とそこから生まれる性的快感のままに身体が震え絶頂していく。床に零れ落ち跳ね返った滴が自らの足を濡らす感覚すら気持ち良い――確実に、漏らす前より感度が上がってしまった身体を持て余しながら皐月は身悶えた。
「あ゛へぁ~❤あ゛だじおじっごしながらいっでるぅ~❤」
「そうさ。もう皐月はおしっこ漏らすだけでイっちまうド変態の雌犬さ。これから沢山電柱に引っ掛けて回らなきゃ。それに――」
『ぐぃっ』
「ん゛ぎひぃぃぃぃぃぃっっ…あひゃ…ぁ……ぁぁ……❤」
 不意に激しくクリピアスを捻られた瞬間、皐月はイキ続けた身体で更に激しく絶頂し遂には気絶してしまう。だが緩んだ肉体から漏れ出る尿は止まらず、意識を失いながらもその快感によって半開きになった唇の間からよがり声を漏らし続ける。
 そんな皐月を映し続ける鏡の中で女は笑みを浮かべ呟いた。最早届かぬ声を、抱き抱えたままの皐月に向けて。
「漏らして気持ち良いのはおしっこだけじゃないぜ?もっと楽しもうな♪」

        ◆

「―――ふぇ?ここは…え?何…?ど、どこ――ひぐっ!?」
 突如眠りから覚めた皐月は、今現在の状況を把握できないまま苦しげに呻き声を上げてしまう。腹部を襲う鈍痛。心なしかお腹が張っているようにも感じる。思わず屈みこみそうになるも、自分の周りを行き交う人の流れに気が付くとそのまま立ち尽くした。
「…な、何なのよぉ……」
 老若男女。沢山の人が歩いている。どうやら今自分が立っているのは歩行者天国の一角らしい。よろよろ思わず後ずさるも、背中に歩道と車道を隔てる鉄製の柵が当たりそれを拒んだ。
「うぅ…お腹が……ひっ!?」
 今度の呻き声は痛みでは無かった。別の理由で皐月の顔色は一瞬の内に青醒める。鈍い響きを奏でる腹部に手を回そうとしたそのとき、自らの格好に気付いてしまったのだ。
「こ、こんな……ひぅ❤」
 身じろいだ瞬間、甘美な波紋が広がり一瞬鈍痛を忘れさせる。纏ったロングコートの裏地に乳首のピアスが擦れていく。
 そう―――皐月は今、人通りの激しい歩行者天国の中でロングコートのみを身に纏っていた。一度そう気付いてしまうと感覚はより鋭敏になり、素肌をコートの生地が擽るだけでも声を漏らしそうになる。何より、こんな所でほぼ裸に近い格好をしている事実が全神経を駆り立てた。
 ―――もし、今コートが脱げてしまったら?
 仮想が衝撃となり脳を揺さぶる。ぞわぞわと鳥肌を立て始めた肉体をしきりに両腕で抱きしめた。余りの状況故、逆に鮮明となってきた意識と記憶。
(い、今の私の身体……こんなの見られたら―――)
 鏡に映った自分が蘇る。卑猥な言葉を綴った全身の入墨と恥部を飾り立てるピアスで仕立てられてしまった、二目と見られない下品な肉体を。
(…ごくん)
 不意に音が鳴った。カラカラに渇いた喉を潤す為に。だがそれでも渇く喉は気道を張り付け締めて、皐月はいつの間にか無性に荒い息使いをしている自分に気付く。
(あつ…い……)
 そう、全身が熱いのだ。喉が渇くのは、凍りつくような恐怖のせいではなく……身体の内側から生じ続ける熱のせい。下腹部の鈍痛はより波の間隔を早めていくにも関わらず、その波を無視するかの如く――否、むしろその波に合わせて熱が全身へと渦巻いて行く。
(おな…か、いたぃ……トイレに……―――ぃっ!?)
「あふっ❤」
 感覚を押し殺しこの場から立ち去ろうとするも抗う間も無く熱がそのまま口から溢れ、動こうとした皐月を牽制した。思わず手を口にやると立ち竦んでしまう。
―――動けない―――
痛みと熱の波に呑まれた肉体は鋭敏になり、皮膚をコートの布地がなぞっただけで耐え難いような甘い刺激を産み出してしまうのだ。口を抑えた手の指に触れる息は驚くほど熱い。触れられた指が心地良いと思えてしまうほど。
 だが皐月はその心地良さに身を委ねている暇は無かった。先程から腹部の痛みがより速度を上げていく。このままではそう長く持ちそうにないのだ。
「とい…れぇ……」
 最早ふらふらと呟きつつ、できるだけ緩やかに身体を動かそうと試みる。意識を集中さえしてれば、肌を擽る感覚は堪えられるかもしれないと。前屈み気味に歩けば、身体の前面部はコートの布地から遠ざかり擦れる頻度も少ない。荒ぶり続ける痛みと熱に意識を刈られながらも、乳首とクリトリスのピアスにだけ細心の注意を払えば―――
『ぬちゅ』
「――ぁ……」
 再び立ち止まる皐月。見開らかれた瞳が虚空の一点だけを見つめ続ける。漏れる息が激しくなった。
(なん…で……)
 擦らないように……そう意識を乳首とピアスに集中した途端、言い様にならない程の疼きが生まれたのだ。そればかりか締めた太股の間から熱い滴の感触が伝わる。濡れている――コートが触れる刺激だけでは考えられないくらい大量に。
 気が付かない内に皐月は、立ち竦んだまま意識をクリトリスへと向けていた。先ほどまでと違い、今はそこから溢れる感覚だけを楽しむようにして。
 皮を剥かれピアスを穿たれたそこは、冷やかな外気を刺激とし自らを熱くはち切れんばかりに膨らませている。一度性的な感覚で集中してしまうと気付く暇のなかったピアスの違和感まで知覚し始め、鈍い痛みと共にある種の思いが脳内を駆け巡りだしていった。
 ―――もし、今触ったら……
 考えてはいけない、本来なら生まれる筈の無い思考が生まれ、思いと共に激しい身震いを生じさせ、それによって更に素肌が布地と擦れ合い新たな快感を紡いでいく。
「ひぁっ…ち、ちが…ぅ……」
 皐月は必死な想いで首を微かに振った。僅かでも抵抗しようと。だが自分の意志とは裏腹に、頭の中をとある映像が過って行く。目を覚ます前の記憶。鏡の前で自分をこんな風にした女に弄ばれながら醜い身体を晒し何度と絶頂した記憶が―――
  最早動かずとも全身は溢れ出す記憶と疼き、そしてより激しさを増した腹部の痛みが混ざり合い皐月の脳内で充満し続けた。
サワリタイ、サワリタイサワリタイサワリタイサワリタイサワリタイサワリタイサワリタイサワリタイサワリタイサワリタイサワリタイサワリタイサワリタイサワリタイサワリタイサワリタイサワリタイサワリタイサワリタ―――
そこは正常な意識が入り込む隙間を与えられず、ただただ昂るままに犯され熱で染め上げられていく―――視界が真っ白な靄に埋め尽くされ、世界が狭まると。
「はぁ…あつ…いよぉ……」
 朦朧と、魘されるような皐月の呟きが零れ落ちた。
瞬間―――
「キャーーーーーーーっ!」
 突如響き渡った悲鳴。訪れる一瞬の静寂の中で。叫びによって僅かに意識を呼び戻された皐月が目にしたものは、自らに突き刺さる視線だった。
「…え?ひっ!?…あぁ……ぁ……」
 視線のままに自らを見て皐月の顔が激しく歪む。何故なら既に羽織っていた筈のコートは足元で留まり、一糸纏わぬ姿を陽の下に晒していたのだ。
「ち、ちが……」
 無意識に必死の弁明が口を突こうとする。出来る筈の無い身の潔白を証明しようと。だが、誰かが口にした震える言葉がそれを封じ込めた。
「へ、へんたい……」
「―――んひ❤」
 代わりに笑みと混じり漏れたのは喘ぎだ。一度生まれた変態との罵りが拡がり続ける度に皐月の中を得難い感覚が駆け巡っていき、だらしなく口元が緩む。容赦なく浴びせられる蔑んだ視線と罵声の一つ一つが肌をざわつかせ、もう皐月は言葉を並べることすらできず滲み出る快感に震えるだけしかできない。
 ――と、そうするのがさも当たり前の如く、虚ろな瞳が彷徨う中で……無意識に右手の人差し指だけは股間へと伸びていった。
『ぐいっ』
「んあぁ…ぁひゅ❤」
 ピアスに吊られたクリトリスの快感が痙攣となって全身へ拡がり、その甘美な揺れのままに肉体が弛緩する。だがそれでも指は止まらず、より求め二度三度とリングを吊り上げた次の瞬間―――
「あひ?」
『ぶびゅっ…ぶびゅりゅるりゅるる―――』
「んはぁぁぁ~~❤」
 遂に醜い音と臭いを周囲に撒き散らしながら皐月は絶頂してしまった。聴衆の面前で全裸を晒しながら立ち尽くした状態で糞を盛大に漏らしていく。一度緩んでしまったアナルは窄まる事を忘れ、むしろ喜んで生理現象を受け入れてしまうようだ。排泄物が皺をなぞりながら穴を押し広げる度、焼け付くような熱さと排泄からくる解放感が混ざり合い、本来の人格が知らぬ内に仕込まれてしまったアナルの快感を呼び覚まそうとする。
『ぶちゅ、ぶふゅるぢゅり―――』
「あひぃ~っ❤んおぁ、あ、あぁ……」
『じょろろろろろ―――』
「おひっこもぉ~~❤」
 もう指も排泄も止まらない。排泄の快感が引き金となり一度破られた堰は修復不可能だった。双方の刺激が相乗効果をもたらし、そこに人の目といったスパイスも加わっている。既に皐月は、あの映像の中と同じくガニ股に足を開き、乳首やクリトリスのピアスを弄りながら激しいよがり声を上げ盛大に漏らし続けるのみだ。
『ぶぴっ、ぶびゅぶっ―――』
「んひぃ!?いぐっ、うんぢでいぐぅ❤」
ガクガクと膝を揺らし連続で絶頂を迎え、それでも倒れ込みはせぬまま無様に突き出された尻から茶色の塊をぼとぼと足元へ落としていく。
「あ゛へぁ❤…なんでうんぢぎぼぢいいのぉ?」
 体内から巻き起こる快感の渦に大半の意識が呑み込まれる中、微かに残った理性が異を唱えるも…だがそれはもう差したる意味を成さず、
「ぢがぅのにぃ…んぁ゛❤ぢがうのにぃ……―――」
『ぶぼっ――』
「んお゛ぉぉ❤うんぢぶりぶりじながらおなにぃぎぼぢいいよぉぉぉぉ❤」
 無様な排泄音が鳴り響くと同時に下品なよがり声に呑み込まれ、次の瞬間にはもう壊れた玩具のように何度も指を勝手に動かし続けてしまう。
別人格時に仕込まれてしまった公開脱糞オナニーの気持ちよさを肉体が一切制御できないのだ。
「あばぁ❤だれがどめでぇぇぇ♥んほぉぉいぐいぐ――」
 口ではそう言うものの最早イキ続けた顔は悦に浸りきり、より深い絶頂を求め淫猥な笑みを浮かべているようにすら見えた。事実、指は更に激しく蠢き、左手はさほど大きくもない乳房の形が歪むほど荒々しく鷲掴み指先で乳首のピアスを甚振っているし――右手も真っ赤に膨らんだクリトリスのピアスを捏ねるだけでは飽き足らず、中指は漏れ出る小水で汚れるのも気にせず秘唇に突き立てられ中を掻き混ぜ続けている。
 皐月自身、今までその身でした覚えのない激しい自慰行為を貪るように大衆の眼前で。
それも――
『びゅぶっ、ぶっ――』
「んぐぅ♥あはぁぁ…まだうんぢででいぐのぉ…♥みんなみでるのにうんぢじでいっじゃうぅぅぅ♥」
 排泄をトイレではなく公衆の前で垂れ流すことで、より深く感じ、途方もない高揚感を得てしまっている為に収まる気配は無い。延々と下半身の昂りに合わせ激しさを増していくと。
「んぎっ、あ゛あ゛あ゛♥」
 大小の排泄、指一つ一つの動き、それらを軽蔑と侮辱を込めて見据える眼差し……その全てが絶頂を産み、今や皐月の中で重なり合い続けることで、脳は休む間もなくイキ続けるしかできなくなってしまった。
「んほぉぉ♥まだいぐぅ♥…ごんなのおがじいのに……う゛んぢおなにい゛みられるのきもぢよすぎてどめられないよぉ♥」
 ―――最後まで僅かに残った皐月本来の人格が見せる抵抗なのだろうか?いつの間にか皐月の両目からはぼろぼろとめどなく涙が溢れている。
『カシャカシャ』
「あはぁ♥どらないでぇ…どられでるのにやべれないぃ♥んひゅ、いぐのどまらない゛のぉっ♥」
 自分を中心とした人だかりの輪から浴びせられる携帯カメラのシャッター音。それが今後どんな状況を引き起こすのかは色で濁った頭でも理解できるのだろう。皐月の目からは光が完全に消え去り、より一層涙を溢れさす―――だがそれでも、
「だめぎぼぢぃぃ♥わだじのじんぜいおわっぢゃうのにまだいっじゃうぅぅ♥」
もう肉体は別人格で仕込まれた変態性癖に支配され、その泣き顔すら愉悦で歪ませながらオナニーを披露し続け―――
『ピィィィィ!』
「貴女何してるのっ!?今すぐ止めなさいっっ!!」
「んあ゛ぁっ♥まだいぐっ、もうずっどいっでるぅ♥」
 結局、通報で駆け付けた婦人警官に首から下を毛布で包まれ取り押えられて尚指を止めることはできず、そのままパトカーの中に押し込まれるまで皐月の痴態は繰り広げられたのだった――――

           ◆

「お久しぶりね」
「よう、理沙。最近はどうだい?」
「いつも通りよ……って、あら?その子、貴女の処に居たのね」
 友人である上月博士の研究所を訪れた式ヶ原博士は、友人の傍らに立っている人物を見て僅かに口元を緩めながらソファに腰掛けた。その笑みは若干の嘲りと、彼女にしては珍しくも悪戯っぽい何処か無邪気さを感じさせるものが含まれている。
「ああ、流石に世間には疎い理沙でも知ってるか。そりゃネット上じゃちょっとした有名人だもんな―――」
「そうなの?」
「え?知らないのか?……って、じゃあ何で知ってるんだ?」
 二つの意味を携えた驚きの声を前に、再び式ヶ原博士は堪え切れない笑みを浮かべ答える。
「だって彼女、散々私の周りを嗅ぎ回っていたもの。あんまり嗅ぎ回れると私も色々不味いから、その都度軽く記憶を消して放り出していたのだけどね―――」
「へぇ、それで?」
「それで……ふふっ、あはははは」
 話に興味を示す友人と傍らに佇む女性、式ヶ原博士はその二人の顔をそれぞれ眺めると遂には声を上げ笑い出してしまった。珍しい友人の姿を前にして上月博士は先ほど以上に驚いた表情を見せる。
「理沙?どうした?」
「あら、ごめんなさい……ふふ、実はね、せっかくだから新しい実験も兼ねてある日、彼女の中にある私に対しての記憶や感情を貴女に置き換えてみたのよ」
「え?それって……理沙、まさか―――」
「ええ、上手いこと彼女、貴女の周りを嗅ぎ回ってくれたみたいね♪」
 悪戯の種明かしをして満足したのだろうか。式ヶ原博士はソファ深くに身体を沈み込めると、彼女が普段は見せることのない同情まじりの眼差しを友人の横で佇む女性へ投げ掛けた。
「最初に私の警告を聞き入れていればこうもならず済んだのにね、明石さん」
 だがその眼差しや言葉も既に明石皐月には届きそうにない。ただ、視線だけは感じるのだろう。彼女の声や動きがより激しいものへと変わっていく。
「あのなぁ、理沙。人んとこ押し付けるなよ……」
「ふふ、まあ済んだことは良いじゃない。それに十分貴女だって楽しんだのでしょう?」
 全てを見透かした友人を前にして、上月博士も満更ではない表情を浮かべる。
「まあな。結構めんどくさいこともしたけど楽しかったぜ?」
「面倒くさい?」
「ああ、さっきも言ったけど皐月ちゃんは有名人だからな。ネットで検索すれば即出てくるさ。で、警察から身元引受けするのにちょっと手を回す羽目になった」
 そう語るも、むしろ上月博士は楽しそうだ。それもその筈―――身元を引き受け警察から出しはしたが、ここに来たのは皐月自らだったからだ。当初を思い浮かべ更に上月博士の表情が緩まる。
「可愛かったんだぜ?ここに来た時の彼女の顔ったらさ。全てを失ってもう俺に縋るしかないって感じで♪」
 ―――あれから二日後。自宅マンションに戻った皐月を待っていたのは絶望だった。意外にも留守番電話や電子メールのメッセージ量は少なく、逆に言えばそれは、あれを知った友人や仕事上の知り合いが皆、彼女のもとから静かに離れていったことを暗に告げていた。それくらい、ちょっとパソコンに自分の名前を入力すれば簡単に明らかになるのだ。
 明石皐月はもう二度と普通の人生を歩めないと―――
 今の世の中、情報というものは良くも悪くも物凄い力を持っているし、誰しもが簡単にそれらを扱えてしまう。既に少しアングラなサイトに行けば、何処から仕入れたのか皐月の情報が事細かにあげられていた。本名や出身地、生年月日などは当たり前で、使用しているSNSやTwitterのアカウント、他には過去扱ってきた仕事の内容から学生時代の卒業写真やらまで―――それら全てがあの映像と共にあるのだ。複数が撮り投稿し合っているのだろう。あの痴態は三百六十度全ての方向から記録されている。短い映像から長いものまで。ほぼ開始から最後まで撮られていたものに至ってはかなりの再生数を伸ばしていた。
 もし仮に、それらを見た皐月が普通だったら、そのままベランダから身を放り出し今頃は既に土の中に居たかもしれない。だが幸か不幸か、自らの惨状を収めた映像を見た皐月は再び言いようのない高揚に呑まれ、唖然と涙を流しながらも昂る肉体を弄り出してしまう。こんな状況下すら興奮に繋げてしまうほど皐月の肉体は調教済みだったのだ。むしろこれ以上ない窮地だからこそ被虐の快感は増幅されてそのまま絶望の中何度と果て絶頂を味わい、それでも収まずタクシーの中でも運転手相手に披露する羽目になりながらこの研究所を訪れていた―――

「な、皐月ちゃんはもうずっとここに住むんだろ?」
「はい゛ぃ、ずっどいっででいいでずかぁ?」
「くく、いいよ。ずっと居てもイってても」
 新たに式ヶ原博士らの視線も加わったことで、より感度が一層強まったのだろう。先ほどまで以上に激しくイキながら皐月はオナニーを繰り広げている。
常に気持ち良くて、しかも今の自分を受け入れてくれる。逃げ込める場所。
―――ここでイキ続けることが、もう今の皐月自身の人格にとっても全てであった。
「んごぉ♥めずいぬお゛なにいみられるのぎぼぢいぃよぉ♥」
 何度も何度も、真っ赤な紐で縛られ乳房や恥部を強調された肉体を震わせながら、立ったままがに股で前後の穴を埋めるディルドを動かし続け獣じみたよがり声を上げる。既に何回も漏らしたのだろう。足元に敷かれた大型犬用のペットシーツは幾つもの黄色い染みが滲んでいる。
「まだいぐっ♥おじりずっどうんぢしでるみだいぃ♥」
 そう何度もできぬ排泄の代わりにアナルへ差し入れられた玩具は、程よい弾力を持った素材で作られていて、また長さ太さも申し分ないためにずっと脱糞と同等の快感を生み出し狂わせてくれる皐月のお気に入りだ。膣内に入れたのも同じ素材なため、体内で肉壁一つ挟み擦りあげる快感も病みつきだし、それらの快感を更に増幅してくれるクリや乳首のピアスに取り付けられた電極仕込みのローターも手放せない。二本しかない手の代わり以上を担い、尚且つ自分では与えられない刺激すら与えてくれるからだ。もう真っ赤に膨らみきったクリトリスは振動と電流二つの刺激で敏感になり過ぎ常に絶頂を迫ってきていた。
「んぎぃ♥ぐりどりずびりびりぐるぅぅ♥あ゛、あ゛、おじっ…ご……あ゛ぁぁ~~~♥」
『ぷしゃぁぁぁぁ』
 ディルドの圧迫とローターの振動で尿道から溢れたおしっこが飛び散り手足に掛かっても、変わらぬ処かより皐月のオナニーは激しさを増していく。別人格の記憶がなくとも、もう皐月にとって肉体も脳内も…全てがそれ以上のものへ、あの絶望によって仕上げられてしまっているのだ。
「……汚いわねぇ」
 元々差して特殊性癖にも使用価値のなくなった披験体にも興味のない理沙は飽きてきていて冷めた表情で皐月を見据える。それでも視線を反らさないのは面倒ごとを押し付けてしまった友人に対しての義理だろうか?ただ淡々と眺めながら、視線を移すことすらせず自らの横に佇む人影に問いかける。
「どう?お前もああする?」
「……博士に…お任せ…しま…す……」
 虚ろに皐月を眺めたまま抑揚のない――でもまだ微かな感情を見せる震えまじりの声で、以前はナエと呼ばれる名前を持ち得ていた少女が静かに答えた。
「そうね、でも煩いのは嫌いだからああするなら声帯を取り外してからかしら?」
 そのいとも簡単に口にされた言葉でぴくんと小さく身動ぎするも、それでも即座に指で合図する博士の前へと少女はしゃがみ込み、与えられる仕事と命の繋ぎに身を寄せた。もう彼女も皐月と同じく、否、それ以上の鎖に繋がれそう生きていくしかできないのだから。
「そう言えば、これと一緒に拾ったのはどうしてるの?また貴女が望むならまぐわせても良いけど?」
「ん?カオリちゃん?俺は理沙と違って大事に可愛がってるよ。そうだな、最近は愛とばかりさせてたから、たまにはまたお友達とさせてあげるか。そうそう―――」
 弾んだ声で上月博士は友人の提案に答えると、そのまま楽し気な表情を新たなペットへ向ける。
「ほとぼりが済んだら皐月もまたお外で可愛がってやるからな」
 その言葉に、あの時の衝動を思い出したのか。皐月は激しく痙攣し新たな絶頂を迎えると、そのままイキ続け降りて来られない中、濁った瞳で期待に満ちた声を上げた。
 全てが狂い歪んだこの世界に置いて、その住人らしく相応しい言葉を嬌声と共に―――

「んひっ♥まだいっばいみらでながらうんぢいぎじまずぅぅ♥」
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